ガイドライン手続き別2026.08.18
韓国 医療機器統合情報システム 実務ガイド — 登録と供給内訳報告
許可証を受け取った後、担当者が毎月向き合うことになるのが韓国の医療機器統合情報システムです。このシステムが担う範囲(標準コード・統合情報登録・供給内訳報告)、出荷前登録と変更から10日以内という二つの期限、供給内訳報告の対象機器と翌月末日という締切、そして実務で詰まりやすい箇所を、2026年8月時点の法令・告示の原文に基づいて整理しました。
要点 — 医療機器統合情報システムは、許可・申告の後の製品情報と流通情報が集まる場所です。担当者がここで行う作業は大きく三つ、標準コード(UDI)情報と製品・企業情報を登録し(法第31条の3第2項)、変わったら10日以内に直し、供給内訳を翌月末日までに報告すること(法第31条の2、施行規則第54条の2)です。登録期限の基準線は交付日ではなく出荷前であり、供給内訳報告はすべての機器ではなく施行規則が定める対象機器にかかります。本稿は2026年8月時点の法令・告示の原文に基づいて整理しています。
このシステムは何をする場所か
医療機器法第31条の3第1項は、食品医薬品安全処長が「許可から製造・輸入・販売・使用に至るまで医療機器に関する情報を効率的に記録・管理するために」電子情報処理システムを構築・運営できると定め、そのシステムの名称を医療機器統合情報システムとしています。運営業務は法第31条の4に基づき指定された医療機器統合情報センターが委託を受けて行います。
実務者が最初に戸惑うのがまさにここです。法律に書かれた名称と画面に表示される名称が違うためです。2026年8月確認時点で udiportal.mfds.go.kr のアドレスはMFDSの emedi.mfds.go.kr ドメインに接続され、上部には**「医療機器UDI追跡管理システム」と表記されます。同じドメインの中に許可・申告の民願を処理する医療機器電子民願システム**が別途あるため、「許可を申請した場所」と「コードを登録して報告する場所」は別だという点を先に整理しておく必要があります。
メニュー構成を見ると、このシステムの業務範囲がそのまま表れます。
| メニューグループ | 担う業務 |
|---|---|
| 基礎情報管理 | 取引先管理 — 報告に用いる供給先情報をあらかじめ登録 |
| 供給内訳管理 | 報告資料の登録・一括登録、供給内訳報告、報告状況、品目シリアル番号・療養給与情報の照会 |
| 追跡管理対象 流通記録報告 | 追跡管理対象医療機器の製造・輸入数量の登録と流通記録の報告 |
| 入出庫管理・回収廃棄管理 | 入出庫/返品/廃棄、在庫照会、回収対象照会と回収実績 |
| 利用案内 | お知らせ・ガイドライン・関連法令・資料室・教育案内、商用ソフトウェア業者の照会 |
ログイン後の最初の画面には統合情報の登録状況(等級別の登録完了・未登録・未完了の件数)と供給内訳の報告状況(今月の締切までの残り日数)が表示されます。「自分が何をしていないか」をこの二つのカードで確認することが、月次ルーティンの出発点になります。
何を登録するのか — コード一つではなく情報の束
UDI(医療機器標準コード)は一つのコードではなく、二つの部分の組み合わせです。告示「医療機器標準コードの表示および管理要領」第2条は、標準コードを**医療機器固有識別子(UDI-DI)と医療機器生産識別子(UDI-PI)**として定義しています。
- UDI-DI — 製品ごとに固有に生成される部分であり、法第31条の3第2項に基づき統合情報システムに入力するコードがこれにあたります。
- UDI-PI — 生産単位ごとに生成される部分で、製造番号(ロット番号・バッチ番号またはシリアル番号)、製造年月(使用期限がある場合は使用期限)、単独で使用されるソフトウェアのバージョン情報のうち該当するものを含みます。
生成単位も告示が定めています。第4条第1項は最小名称単位(モデル名別、一つのモデルに複数の製品名がある場合は製品名別)と包装単位別にGS1国際標準体系を使用するものとし、第8条はHIBCC・ICCBBA体系を用いる特例を置いています。ラベルにコードをどう表示するかは表示記載の必須項目で扱います。
システムに登録する情報はコードだけではありません。施行規則第54条の3第1項は登録対象を、標準コード情報、製品情報(許可・認証・申告情報を含む)、製造・輸入業者(外国製造元を含む)情報の三つに分け、詳細項目は告示「医療機器統合情報の管理等に関する規定」第2条が列挙しています。
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 標準コード情報 | UDI-DI、バーコード表示体系(GS1・HIBCC・ICCBBAから選択) |
| 製品情報 | 包装内の総数量、管理形態(ロット番号・シリアル番号・製造年月・使用期限から選択)、滅菌の有無と滅菌方法、療養給与対象の可否・療養給与コード、ラテックス・フタル酸エステル類の含有有無、MRI曝露安全性、人体移植型・使い捨ての可否、品目名・分類番号(等級)・許可(認証・申告)番号と日付、製品名・モデル名、追跡管理対象の可否 |
| 企業情報 | 統合情報管理責任者の連絡先・電子メール、商号、業許可番号、住所、委託製造の場合の製造者、輸入の場合の海外製造元 |
保存方法・電子IFUのアドレス・物流バーコード(Package DI)などは必要に応じて選択的に登録でき(同条第2項)、逆に品目名・等級・許可番号のように許可情報システムから連携される項目は登録を省略できます(第3項)。
いつまでに行うのか — 期限は三つ
最も間違いが多いのが期限です。根拠は施行規則[別表第7号の4]医療機器統合情報管理基準(2026年7月1日改正)です。
| 状況 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 初回登録 | 許可・認証・申告の後、出荷する前に、モデル名別に | 別表第7号の4 第1号 イ・ロ |
| 登録情報の変更 | 変更した日から10日以内に変更登録 | 同号 ハ |
| センターからの修正・変更要請 | 要請を受けた日から20日以内に措置 | 同号 ホ |
ここで押さえておくべき点が一つあります。基準線が「許可証の交付日」ではなく**「出荷」**だということです。登録を先送りしたまま製品が先に出てしまえば、その時点ですでに基準違反になります。逆にまだ出荷の予定がなければ時間を確保できます。在庫の入庫スケジュールと登録スケジュールを同じ表に載せて管理すべき理由がここにあります。
同じ別表は登録後の管理義務も定めています。登録情報を最新の状態に維持すること、登録記録を保管・管理すること、許可・認証・申告の取下げや取消しなどにより販売が中断された場合は中断された日から3年間記録を保管すること、従事者への教育を実施すること、そして医療機器統合情報管理責任者を置くこと(品質責任者との兼任が可能)です。担当者を指定せずに「分かる人がその都度」処理する体制は、この基準と合致しません。
使用方法・注意事項の変更のように標準コードを新たに付与し直す必要がある変更であれば、変わった情報と新しい標準コードを併せて登録します(同号 ニ)。どの変更が変更許可・変更認証・変更申告の対象になるかがまず分かれるため、変更案件は許可側と統合情報側を同時に見る必要があります。
供給内訳報告 — まず対象かどうかを確認する
法第31条の2第1項は、製造業者・輸入業者・販売業者・賃貸業者が医療機関、医療機器の販売業者・賃貸業者に医療機器を供給した場合に、その供給内訳を報告するよう定めています。消費者に直接販売する取引はこの列挙に入っていません。販売業者としての立場は販売業申告の要否と併せて確認するのが正確です。
義務者を定めた条文とは別に、報告対象となる医療機器の範囲は施行規則第54条の2第1項が別途定めています。
- 施行令第12条の5第1項による人体移植型医療機器(クラスIII・IVに限定) — 人体に挿入され30日以上連続して維持される医療機器
- 「国民健康保険 療養給与の基準に関する規則」第8条第2項による療養給与対象の治療材料である医療機器(医療機関に供給する場合に限定)
- その他、食品医薬品安全処長が保健福祉部長官と協議して定める医療機器
つまり「医療機器を病院に納品すれば常に毎月報告」と単純化すると、実際の範囲とずれる可能性があります。第3号により対象が追加されることがあり、制度改善のお知らせも続いているため、自社品目が対象かどうかはシステムのお知らせと施行規則の原文で確認するほうが安全です。
対象に該当する場合、期限は明確です。供給した月を基準にその翌月末日までに、医療機器統合情報システムを通じて施行規則別紙第48号の2書式の供給内訳報告書を提出します(第54条の2第2項)。画面では、取引先を先に登録したうえで報告資料を件別またはExcelで一括アップロードし、最後に「供給内訳報告」で確定する流れです。自社の販売管理プログラムから資料を抽出して使うには、「商用ソフトウェア業者の照会」メニューが出発点になります。
クラスI製品を自ら申告して販売するセラーの視点での整理は、クラスIもUDI・供給内訳報告が必要かに別途あります。本稿が「システムをどう使うか」であるのに対し、そちらは「申告後に自分にかかる義務は何か」です。
詰まりやすい箇所
- 許可は下りたのに登録がされていない場合 — 品目の許可・申告と統合情報の登録は別の手続きです。許可だけを代行に任せ、登録は誰も引き取らないまま出荷が始まる事例が実際に出ています。
- 標準コードを再生成すべきなのにそのまま使う場合 — 包装単位の変更、使い捨て・滅菌情報の変更は固有識別子の再生成事由です(告示第4条第2項)。
- 変更登録の10日を過ぎてしまう場合 — 住所・管理責任者・海外製造元のように、許可変更には至らない情報も変更登録の対象です。
- 管理責任者の未指定 — 別表第7号の4が求める項目であり、品質責任者との兼任で整理できます。
- 報告対象かどうかを確認せずに始める場合 — 対象外の取引を登録して資料が絡まったり、逆に対象品目を漏らしたりします。
- 輸出用までコードを悩む場合 — 標準コードの告示は国内で流通・販売される医療機器に適用され、輸出用には適用されません(第3条)。
登録・報告の義務を履行しない場合、法第56条第1項によりそれぞれ100万ウォン以下の過料の対象になります。金額よりも痛いのは、漏れが積み重なる構造です。後からまとめて整理しようとすれば過去の取引資料を月別に集め直す必要があり、その間に取引先から供給履歴の確認を求められれば答えに窮します。事後管理を一度きりのイベントではなく月次ルーティンとして設計すべき理由です。
CLARE Partnersが行うこと
CLARE Partnersは、交付後のこの反復業務を項目別または月単位で受託します。
- UDI標準コード登録 — 標準コードの生成と医療機器統合情報システムへの登録代行、50万ウォンから
- 供給内訳報告(月単位) — 報告対象の確認から月次提出まで受託処理、月50万ウォンから
- 事後管理の受託(月単位) — UDI・変更管理・定期報告などの維持業務を統合受託、クラスI 月80万ウォンから(クラスII 170万ウォン・クラスIII〜IV 350万ウォン)
- 無料事前検討 — 製品情報と流通構造をお送りいただければ、登録・報告義務の範囲を1営業日以内に一次回答
許認可を他社で取得された場合でも、事後管理のみを移管いただけます。項目別の代行料は許認可コンサルティングサービスでご確認いただけます。
医療機器統合情報システムは、難しいというより期限が複数あるために漏れる業務です。出荷前の登録、変更から10日以内の変更登録、翌月末日までの供給内訳報告 — この三つを担当者とカレンダーに固定しておけば、大半は整理できます。自社品目の登録・報告範囲の確認は無料事前検討へお送りください。
根拠法令(2026年8月時点):「医療機器法」(法律第21263号、2026年7月1日施行)第20条第8号 ・ 第31条の2 ・ 第31条の3 ・ 第31条の4 ・ 第56条第1項、「医療機器法施行規則」(2026年7月1日施行)第54条の2・第54条の3および[別表第7号の4]医療機器統合情報管理基準、「医療機器法施行令」第12条の5第1項、「医療機器統合情報の管理等に関する規定」(食品医薬品安全処告示第2019-46号)、「医療機器標準コードの表示および管理要領」(食品医薬品安全処告示第2023-67号) — 国家法令情報センターの原文に基づいており、法令改正により内容が変わる場合があります。
よくあるご質問
- Q. 医療機器統合情報システムにはどこからアクセスしますか。
- 医療機器法第31条の3第1項に基づきMFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)が構築・運営する電子情報処理システムの法定名称が「医療機器統合情報システム」です。2026年8月確認時点で udiportal.mfds.go.kr にアクセスするとMFDSの emedi.mfds.go.kr ドメインに接続され、画面上の名称は「医療機器UDI追跡管理システム」と表記されます。運営業務は同法第31条の4に基づき指定された医療機器統合情報センターが委託を受けて行います。
- Q. 統合情報の登録はいつまでに行う必要がありますか。
- 医療機器法施行規則[別表第7号の4]医療機器統合情報管理基準は、「許可もしくは認証を受け、または申告をした後、医療機器を出荷する前に」モデル名別に登録するよう定めています。登録した情報が変わった場合は変更した日から10日以内に変更登録を行い、統合情報センター長から情報の修正・変更を要請された場合は要請を受けた日から20日以内に措置する必要があります。
- Q. 供給内訳報告はすべての医療機器が対象ですか。
- いいえ。報告義務者は製造・輸入・販売・賃貸業者ですが(法第31条の2第1項)、報告対象となる医療機器の範囲は施行規則第54条の2第1項が別途定めています。施行令が定める人体移植型医療機器(クラスIII・IVに限定)、療養給与対象の治療材料である医療機器(医療機関に供給する場合に限定)、その他食品医薬品安全処長が保健福祉部長官と協議して定める医療機器が対象です。自社品目がどれに該当するかを先に確認するのが順序です。
- Q. 登録や報告を行わないとどうなりますか。
- 医療機器法第56条第1項は、供給内訳を報告しなかった者または虚偽の報告をした者(第2号の5)と、統合情報システムに情報を登録しなかった者または医療機器統合情報管理基準を遵守しなかった者(第2号の6)を、それぞれ100万ウォン以下の過料の対象と定めています。
